エキスパンションジョイントの意味や役割は?壁が割れる理由も

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2016年4月14日に起きた「熊本地震」。
現在も余震を含めて、頻繁に揺れが起こっています。

最大震度7を記録した、今回の地震では、家屋やマンション・ビル等が倒壊したり、建物に亀裂がはしったりと、被害も拡大し続けています。

その報道ではテレビ放送でマンションに亀裂が走っているシーンが流れました。

これは手抜き工事ではないのかと一部の方々が言っていましたが、実はエキスパンションジョイントと言う建物同士をつないでいる部品が割れて、ヒビが入ったように見えたものでした。

ではこのエキスパンションジョイントとは一体どういう物でどんな意味や役割があるかなど気になる部分を調べてみました。

エキスパンションジョイントの意味と役割

報道で放送された地震によって分断されたマンションの映像が流れました。
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衝撃的な映像でしたが、実はマンションの構造を守る為にあえて分断する事でマンションの本体構造を守る作用は果たしているのです。

その分断された部分に使用されている部品がエキスパンションジョイントといわれる物です。

エキスパンションジョイントという言葉を耳にした方は建設業者以外のかたでは少ないと思います。本来マンション建設現場には一般人の立ち入りができませんから、どんな物かさえも分からないものですよね。

エキスパンションの意味は拡大や膨張と言った意味になります。拡大・膨張の止め金具と言った方が分かり易いでしょう。

マンション等ではどのような形でエキスパンションジョイントが使われる意味や役割はどの様なものなのでしょう。

例)上からみてT字型やL字型の構造のマンションの場合
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T字型のマンションなら最初からT字型の一体構造で建築されるわけではありません。当然L字型のマンションも同じです。この様なマンションを建築する場合には各辺ごとで建築していきます。一体構造ではなく別々の建物が建てられていきます。最終的に2つの建物をドッキングする時にエキスパンションジョイントで繋ぎ合せるのです。

2つの構造物を繋ぎ合せるエキスパンションジョイントを使う意味と役割はと言うと、

①建物自体がコンクリート製の為、気温や湿度の影響で延び縮みする為にエキスパンションジョイントを使う事で、この延び縮みの影響を吸収する意味と役割を果たしているのです。

②今回の様な大きい地震に見舞われた時に、T字型やL字型のマンションでは、各辺の建物が別々の揺れ方をする為に、一体構造では本体に影響が出るようなゆがみが生じたりします。それを避ける為に、各辺の建物が別々の揺れ方をして限界点を超えるとエキスパンションジョイントが外れ各辺の揺れを分断して倒壊やゆがみを起こさないようにする意味があります。エキスパンションジョイントが分断する事で被害を最小限度にとどめる役割をはたしているのです。

マンションの壁が割れているように見えるのは?

今回の報道をみて、衝撃を覚えた方もいらっしゃると思います。

特にマンションに住んでいる方はなおさらだと思います。確かに地震の影響で割れたことは事実ですが、エキスパンションジョイントが外れた事によって起きた意味のある現象なのです。

エキスパンションジョイントがマンションの揺れによって分断される事で、力を逃がしてマンションの構造被害を最小限に抑える役割を果たした結果なのです。

室内でこうした床を見たことがあるという人もいるのではないでしょうか?
01d出典:http://www.trcnet.jp/example/expansion/expansion01/

これこそエキスパンションジョイントが施されている場所です。

また壁が割れたように見えているのはエキスパンションジョイントを隠す為の化粧板の意味で同じ外壁が貼られています。エキスパンションジョイントが外れると外壁も割れる仕組みになっています。エキスパンションジョイントが外れても外壁が割れないとマンション本体に影響が出てしまう恐れがある為に外壁も壊れるという役割があるんですね。

エキスパンションジョイントのまとめ

今まで紹介したようにエキスパンションジョイントの意味と役割がわかったと思います。

地震だけでなく、地盤沈下などでもこのエキスパンションジョイントが活躍した事例もあります。建物だけでなく建物基礎にもこの様な仕組みを施しているものもあります。

今回報道されたマンションは、正にエキスパンションジョイントの恩恵を受けて、最悪崩壊の危機を逃れたと言っても言い過ぎではないのではないでしょうか?

こうした仕組みが建物の倒壊などを防いでいるんだということを改めてわかりました。