脳リンパ腫の生存率や治療方法は?原因や初期症状についても

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人気俳優である松方弘樹さん(73)が先月2月23日に、脳腫瘍の疑いにより予定していたコンサートを降板し、後の3月2日に「脳リンパ腫」と判明されました。
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松方さんの所属事務所の最新の発表によると、“当人は治療中で本人からの直接のコメントは出せないが、治療方針として4種の抗がん剤治療を試みた後、必要であれば放射線治療をしていく”と答えたそうです。

松方さんの一連の記事を読み、衝撃を受けた方も多いと思います。

今回のこの記事では、その松方弘樹さんを襲った「脳リンパ腫」について紹介したいと思います。

実際脳リンパ腫って脳腫瘍とどう違うのかや、脳リンパ腫での生存率と治療方法などはないのか、更には脳リンパ腫の原因と初期症状はあるのかなど、脳リンパ腫の予防できることはあるのかについても見ていきたいと思いますのでぜひ参考にしてみてください。

脳腫瘍と脳リンパ腫は同じこと?脳リンパ腫って何?

脳腫瘍という病名は、脳に出来る様々な腫瘍の総称です。

従い、脳リンパ腫というのは、脳腫瘍の中の1種ということになります。

また、脳リンパ腫は正式名称を、中枢神経原発悪性リンパ腫(原発性脳リンパ腫)と呼びます。

(この記事では脳リンパ腫とします)脳リンパ腫は、血液細胞の中のリンパ球が腫瘍化したものが脳の中だけに(本来は他の臓器に出来ることが多い、血液のがんの一つ)出来た病気です。
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この病気は発症率が非常に稀で、脳腫瘍でなる患者の3%位、統計にすると10万人に0.38人であり、この発症年齢は中高年層の50歳以上が80%を占め、最も発症する年齢は60歳前後というデータがありました。

また、悪化する速度も速いということです。
そして、この病気の事実として受け止めなければならないのは、再発と生存率です。

そう、最悪は死に至るという病気なのです。
この脳リンパ腫はどれだけの生存率と治療法があるのでしょうか?

脳リンパ腫での生存率と治療は?

脳リンパ腫の生存率は、治療方法や出来た個所や年齢によってかなりばらつきがありますが、3年~7年程という結果があります。

明らかに生存率が良いのは50歳以下の若い患者さんであり、自分の身の回りの世話ができる患者さんだということです。

では、脳リンパ腫での治療方法はどのようなものがあるのでしょうか。順にみてゆきましょう。

・化学療法1:抗がん剤
“抗がん剤は効かない”という本で有名な著名人近藤誠さんでも、抗がん剤が効く病気の一つに悪性リンパ腫が上がっていました。実際にも脳リンパ腫は抗がん剤が有効な事が多いそうです。(ただし、30%位の高悪性度群のリンパ腫には無効)患者の状態等に合わせた複数の抗がん剤を投与する方法です。多くの副作用との闘い、どの抗がん剤が効果があるかという試薬段階です。

・化学療法2:MTX(メトトレキサート)の大量化学療法
脳リンパ腫の髄腔内投与ができる抗がん剤メトトレキサートを大量に投与する療法です。脳の血管には血液脳関門というシステムがあり、脳の中に不純物が入り込まない様に脳の血管の壁である内皮細胞がぴったりとくっつきあって並び、更に神経膠細胞という突起が血管の周りを覆っているため、通常の抗がん剤を入れても、この関門によって通過することが出来ません。メトトレキサートはその関門を通過できる抗がん剤です。この抗がん剤を使用し、更に髄腔内投与という手法を取ります。これは専門の器具とカテーテルを通して、メトトレキサートを腰椎から脊髄へと直接注入して大量に投与する方法をいいます。効果が高い分、副作用も多く起こります。

・放射線治療(全脳照射)
最も有効とされている治療法で、腫瘍自体が消失してしまうこともあるくらいです。が、同時に大量の放射線治療の為に脳の萎縮が見られ、認知障害になる事が多いので60歳以上の患者には不向きであるようです。また、再発率が高いのも有名です。

脳リンパ腫では、以前は手術で腫瘍を取り除くこと、ステロイド投与が治療としてありました。

しかし、脳リンパ腫は再発しやすい病気であり、通常がん治療で手術をすると正常な細胞を余分に切り取ることから、正常な脳細胞を切り取っては、生命機能を果たしたり、様々な機能を奪ってしまうことから、現在では手術は行われていません。

ステロイドは投与すると一時的に腫瘍が消失し、症状もよくなりますが、必ず再発すること、半年ほどで効果が失われること、病理組織確認の妨げとなることから、主流な治療法ではありません。

いずれにしても、治療は難しく、様々な副作用や認知障害などの精神症状、脳の損傷によってマヒが現れたり、言葉が上手く伝えられなかったりと患者さん自身だけでなく、ご家族の心構えも試されます。

そう、これらの療法を試して、生存率は3年~7年程なのです。では、その稀な脳リンパ腫は原因があるのでしょうか?また、初期症状があるなら、どんなものがあるのでしょうか?

脳リンパ腫の原因と初期症状はあるの?

脳リンパ腫は、原因となるものが特定されていません。
ただし、以下の人は発症しやすいとのことです。
①臓器移植をうけた方。
②免疫抑制剤を使用している方。
③HIV(エイズ)に感染している方。
④50歳以上の中高年から高年齢の方。

日本では④が一番多い事でしょう。
これを考えて、最後の記事で脳リンパ腫は予防できるかをお伝えしたいと思います。でもその前に、脳リンパ腫はどんな初期症状が現れるのか、気づける症状はどこかご覧ください。

初期症状は、脳の中にできた腫瘍が、どこに出来たかで症状が異なってきます。

主な初期症状として頭痛、吐き気、嘔吐(頭蓋内圧亢進(こうしん)症状)の他、手足のまひ、しびれ、フラフラする(運動マヒ)、言葉がうまく出ない(失語症)、突然の難聴(聴覚障害)、気分や感情の表れとして“性格が変わった”“ぼんやりしている”(精神症状)片目の視力が急に低下する(視覚障害)等があります。

特に、朝起き抜けの頭痛があり、頭痛が連日続く、吐き戻すほどの頭痛が生じているときは、決して軽視せず、必ず脳の画像検査をしてもらいましょう。
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またそれほど目立つ頭痛がなくても、上に挙げたような気づきにくい初期症状が現れているかも知れません。

ろれつがまわらない、物が見えづらい様子があるなど、気になる症状を見つけたら、ためらわずに受診しましょう。

早期発見がここで出来たなら、後の生活に支障は少なくて済むことは間違いありません。

脳の画像検査の出来る、施設の整った大きな病院と脳外科医に診断してもらいましょう。では、最後に脳リンパ腫の予防は出来るのでしょうか。最後までどうぞお付き合いください。

脳リンパ腫の予防できる?

前の節で脳リンパ腫の原因は特定がないが、発症しやすい人がいると挙げさせてもらいました。

これは、まとめると①~③は免疫力が低下している人で、④は高齢者であることです。

また性質として、リンパ腫は血液のがんの一種なのですから、がん体質を遺伝的(特に血液のがんを発症している家系)に持っているということになります。

ということは、免疫抑制剤を使用している疾患を持っている方と高齢者の方、がん体質の遺伝がある方は圧倒的になりやすいので、定期的に検査を行うことが策といえます。免疫抑制剤を使用する病気は、主に以下の通りです。

―主な免疫抑制剤に使用される疾患―
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性血管炎、血管炎(急速進行性糸球体腎炎)

※お薬手帳や薬剤情報資料を見て(薬局にて有料発行されています)免疫抑制薬と表示されている薬を服用されている方は、普段と様子が違うことがないか、リンパ腫の初期症状が出たら、すぐに検査を受けられるようにかかりつけ医等の住所や電話番号を控えておくと良いでしょう。

がん体質の方は、自分の家系図の中で誰がどのがんになったかを調べておくと、今後なるかもしれないがんを予見できる助けになるでしょう。また、がんは体質でなるものでなく、生活習慣病から引き起こされることもあります。以下の生活を心がけると、脳リンパ腫だけでなく、がん全体を予防できる効果があるとのことです。

―がんを防ぐ習慣―
・禁煙。
・適切な体重維持。
・お酒は節度を持って(日本酒なら1合、ビールなら1本、ウイスキーならダブル1杯)
・レトルト食品や添加物だらけの弁当より、家庭内で作ったバランスの取れた栄養のある食事を摂る。
・毎日の食生活に変化をつけて多くの品目を食べる。偏食を避ける。
・特に緑黄色野菜を食べ、果物などの食物繊維を多く摂る。緑黄色野菜は細胞のがん化を防ぐ抗酸化作用があります。
・揚げ物などの油や肉脂肪の多い食品を避ける。塩辛いもの、熱いものを避ける。焦げ付きすぎたものを食べない、カビが生えたものを食べない。(人体に有毒なもの、危険なものを取り入れない)
・紫外線を浴びすぎない
・適度な運動、体を清潔にし、ストレスを過度にためすぎない。
・ウイルスなどの感染症を予防する。マスクや性感染症とHIV予防にコンドームを使用するなど。
・がんについて知識をつけておく。
がんを防ぐ習慣は脳リンパ腫だけでなく、すべての人の健康維持にも役立ちます。実践したいですね。

まとめ

今回の記事では脳リンパ腫の基礎知識から始まり、生存率や治療、初期症状、予防策を一つ一つなるべく詳細に挙げてきました。

この記事で最初に触れた点ですが、
脳リンパ腫は通常発症することがない稀な病気です。

ですが、冒頭で挙げた松方弘樹さんがこの病気にかかり、この病気を知ることが出来るきっかけが作られました。

この記事で少しでも脳リンパ腫を知り、また大きな病気にならないように普段から予防できたら、毎日が豊かな生活で幸せを続けられるヒントを、ご提供できたかもしれません。

また、この場をかりて、一日でも早い松方弘樹さんのご回復をお祈り申し上げます。

以上が、今回の「脳リンパ腫の生存率や治療方法は?原因や初期症状についても」の記事でした。

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