ツバメは日本に渡ってくる代表的な渡り鳥です。
ツバメが巣をつくると「縁起が良い」「その家は栄える」「火事にならない」などと言われるように日本人には古くから親しまれていますよね。
ツバメの旅は過酷なもので中には旅の途中で命を落としてしまうこともあります。
そんな彼らが最も重要な子孫繁栄のための場所として選んだ場所ということでも、邪魔しないようにということやツバメは害虫を食べてくれるところもからツバメの巣を壊さないようにしようという風習がありますよね。
なのですが時には巣からヒナが落下してしまうこともあります。
果たして落下したツバメのヒナをそのまま巣に戻して良いのか戻し方はあるのかと今ヒナを保護したという人は気になっていると思います。
人が育てることは可能なのかという部分なども合わせてツバメのヒナを保護したときの対処法などをまとめてみました。
ツバメのヒナの巣への戻し方
まず始めに説明しておくと、ツバメのヒナが自身の動きで巣から落ちることはほとんどありません。
その時は巣に穴が空いていたり、巣が壊れている時がほとんどなんですよね。
合わせて子育て中の親ツバメがヒナを落とすことも滅多にありません。
ですがまれにヒナの発達障害などで落とすことはあるようです。
そのためヒナが落下している時は何らかのアクシデントに見舞われていると捉えて対応するという考えで良いと思います。
野鳥であることもあり、「人が触ると親が育児放棄する」などと言われます。
いかにも人間らしい発想で「なるほど」と思いがちですが俗説で、そもそもツバメは嗅覚が鈍く人の匂いは気にしません。
もし落下したヒナに遭遇して、見た目に異常がなければ親ツバメの居ない時を見計らって巣に戻してあげましょう。
しかし、何らの原因で親ツバメが落としている場合にはまた落とされてしまうことがあります。
それが俗説が生まれた要因となっているのですが、
人が触ると育児放棄するというのが本当の可能性も0ではないですし、直に触ることでヒナが傷付く可能性もありますので軍手などをしてそっと巣に戻してあげるのが戻し方となります。
親が見ていないときでないと、外敵だと判断してまたヒナを落としたり、最悪親ツバメが危険を感じて育児放棄をしたりする可能性が出てきますので親ツバメがいついなくなるのかをしっかりと見ておくようにしましょう。
ヒナを保護したら自治体に連絡しよう!
とは言え落下しているヒナが親から落とされたヒナかどうかなんて一見して見極めるのは困難です。
さらに巣にヒナを戻してもまた落ちていた場合、何度も落とされたらヒナも死んでしまいます。
そこで次に思いつくのが「保護」です。
ここでは注意が必要なのですが、ツバメは野鳥です。
日本の法律に「鳥獣保護法」なんてものがあり、野鳥は勝手に保護できない法律になっているのです。
巣に戻すべきか迷った際は、お住まいの都道府県の鳥獣保護担当部署などの自治体などに相談することをおすすめします。
お近くの自治体への連絡は「すずめっ子くらぶWiki」で近くの連絡先を紹介していますので参考にしましょう。
まずは電話で連絡して欲しいということですので、住んでいる地域を探して連絡して保護の許可をもらうか保護してもらえないかと聞いてみましょう。
巣から落ちたツバメのヒナの餌やりや育て方
ここからはヒナの餌やりなどの育て方をまとめています。
自治体の方から保護の許可が下りた場合は愛情と責任をもって保護にあたることが必要です。
保護をするにあたって最も気をつかう点は「温度管理」です。
鳥は平熱が40度~42度あって人と比較してやや高めです。
空を飛んで長い距離を移動する訳ですのでたくさんのエネルギーを必要とします。
保護したヒナの周囲は32度~36度を保つようにします。
野生の巣では小さな場所で兄弟同士寄り添える環境ですのでお互いの体温で温め合っています。
これができていないとすぐに死んでしまいます。
タオルなどで包んであげて、周りを温めたペットボトルなどで囲ってあげると良いと思います。
餌やりも大変です。
とにかくヒナの求める度に求める分、大量の餌やりが必要です。
そのため15分置き程の餌やりになったりもしますが、基本餌やりはヒナが求める分だけ与えて大丈夫です。
ツバメの主食は昆虫です。
しかも生きた昆虫でなければなりません。
ペットではなく「保護」なため最終的に野生に返すことが目的になります。
大人のツバメと同じくバッタや蛾などの食事に子供のころから慣れておく必要があります。
何もないときは、とりあえず豆乳をスポイトで1、2滴くらいあげるか、成犬用の味の薄いドッグフードをお湯などでふやかしてあげるか、鶏のササミ肉を細かく裂いて水に浸してあげる、もしくは固ゆで卵の白身をよくつぶしてからはちみつや砂糖で練って与えます。
できれば餌やりの食べ物は生きた昆虫が良いので、
バッタやコオロギなどが手に入れば硬い頭などは取り除いて細かく砕いて与えるか、ミルワームというペット用の餌はペットショップに売っていますのでまだ小さいヒナには頭は固いので取って与えてあげてください。
ですが結局人間の育て方では、飛ぶ練習も狩りの練習、さらには巣立ちのときに栄養を蓄える「集団ねぐら」という習性も覚えないので、保護だけにしておいて自治体に保護してもらうか巣に戻してあげることを考えましょう。
最後に
ツバメに限らず野鳥は過酷な生存競争の中で生きています。
もしかしたら親がヒナを落とすことも他のヒナたちの生存確率上げる手段かもしれません。
または、兄弟たちが生き残りをかけてせめぎ合っているのかもしれません。
しかし、この地球上で人間が頂点に君臨してから野生の生き物が減っていることは紛れもない事実です。
結局は人間が生き残るための食物連鎖を守るエゴかもしれませんが、小さな命が消えかけている時はそっと手を差し伸べたいものです。
それはツバメのヒナでも同じことです。
今回はツバメのヒナの巣への戻し方や餌やりの食べ物についてなど保護についてのお話でした。