カズオイシグロは日本語を話せない?翻訳の土屋政雄についても

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長崎県出身の日系英国人で作家のカズオイシグロさんが2017年のノーベル文学賞を受賞しましたね。

今回も残念ながら村上春樹さんの受賞はありませんでした(笑)

このカズオイシグロさんは村上春樹さんのことを現代で一番注目している作家であると話していたので、いつかきっと村上春樹さんの受賞もやってくるのではないかと思います。

そんなカズオイシグロさんですが、実は日本語が話せないのです。

ではなぜ日本でカズオイシグロさんの著書がこれほど知名度があるのかというと、土屋政雄さんという翻訳家の人が翻訳をしていたからなんですね。

カズオイシグロという人のことも、翻訳をした土屋政雄という人のことも良く知らないという人もいると思いますので今回紹介したいと思います。

良ければ見て行ってください。

カズオイシグロはなぜ日本語を話せない?

別に日本語が話せない日本生まれの人がいても普通じゃないのですが、カズオイシグロさんも日本生まれではありましたが五歳の時に父親の転勤になりそのまま日本に帰らなかったので日本語があまり話せないんですよね。
出典:http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-10-10

詳しく話すと、

カズオイシグロさんは長崎県長崎市で生まれ、5歳の時に海洋学者の父親が北海で油田調査をすることになり、一家でサリー州・ギルドフォードに移住します。

カズオイシグロさんは大きくなって最初はミュージシャンを目指してデモテープなどを音楽会社に送る生活をしていたのですが、イースト・アングリア大大学院の創作学科に進んだ際に批評家で作家のマルカム・ブラッドベリの指導を受けて小説を書き始めます。

被爆後の荒廃した長崎で結婚した女性を主人公にした「遠い山なみの光」で長編デビューするなど、日本を題材とした作品を最初に2つ出しています。

これについてカズオイシグロさんは自身の作品は日本の小説との類似性はほとんどないと話しており、名前と写真が違えば誰も日本人作家だとは思わなかったんじゃないかということですね。

日本人作家というよりは日本の映画の方に大きな影響を受けていることもインタビューで話しています。

日本を題材とした2作も本来は想像の産物だということです。

有名な著書としては、
「忘れられた巨人」、「わたしを離さないで」、「日の名残り」あたりでしょうか。

「わたしを離さないで」、「日の名残り」は映画化もしており、「わたしを離さないで」は去年日本でテレビドラマ化をして綾瀬はるかさんと三浦春馬さんが演じたことでも話題になりましたね。

ぜひ一度見てみてはどうかと思います。

そんなカズオイシグロさんですが、今回ノーベル文学賞を受賞しました。

名前を知っていたという人もいると思います。

次はそのカズオイシグロさんの著書を翻訳した土屋政雄さんについて。

翻訳家の土屋政雄について

そしてこのカズオイシグロさんの著書を翻訳した土屋政雄さんにも注目したいですね。

当然ですがカズオイシグロさんの書かれた著書は日本語ではありません。

それを翻訳して日本に広まったのは土屋政雄さんの翻訳の素晴らしさがあったからこそというのもあります。

そんな土屋政雄さんですが、実は文芸翻訳1本でやっていたわけではなく、実務翻訳でITマニュアルなどを翻訳していた人だったんですね。

ですがその翻訳した本を息子さんに見せたときに「本当にお父さんが訳したの?どこにも名前がないじゃない」と言われたことがきっかけで文芸翻訳を始めたというから驚きです。

そしてカズオイシグロさんの著書である「わたしを離さないで」や「日の名残り」の翻訳を手掛けました。

文芸翻訳だけだと収入面で問題があり、実務翻訳との兼業だったということですが「日の名残り」の翻訳が日本で大絶賛されました。

翻訳批評をしている人が、
「翻訳というより、土屋政雄が日本語で書いた小説なのではないか」と思ってしまうほどにカズオイシグロさんの著書を上手く翻訳していて、原文を読んで原著者になりきって日本語で小説を書いていると思わせられる翻訳だということです。

⇒翻訳批評はこちら

読んだ人も、これが本当に英語で書かれていたのかと思うほどに日本的な文章で素晴らしい作品だと思ったのではないかと思います。

土屋政雄さん曰く、
カズオイシグロさんの著書は世界中で翻訳されていろんな人々に読まれることを意識していて、イギリスの地方に特有の表現や、ブロークンイングリッシュなどは使っていないそうです。そして自分の文章が翻訳されることを意識して、翻訳者が誤解しそうな表現も避けているから人工的な感じがすると話しています。

翻訳した土屋政雄さんだからこそ感じる部分かもしれませんね。

今回カズオイシグロさんがノーベル文学賞を受賞したことを受けて、土屋政雄さんは「いつかは受賞するだろうが、もう少し時間がかかると思っていたので驚いた」とそのときも仕事をしており奥さんがテレビで受賞を知って叫んで教えてくれたんだそうです。

現在73歳ということですが、まだまだ翻訳家として活動しているみたいですね。

土屋政雄さんが翻訳したカズオイシグロさんの作品をまだ読んだことがないという人はぜひ読んでみましょう。

最後に

ノーベル文学賞を受賞したカズオイシグロさんとそれを翻訳した土屋政雄さんについてでした。

カズオイシグロさんの著書はどれもなんというか切ないというか悲しいというかそんな世界観なのですが、難し過ぎるというわけでもなくどこか深いという感じで、とにかくなんと言ったらいいかわからないので読んでみて欲しいですね(笑)

今回ノーベル文学賞を受賞したということで、これからもたくさん著書を出版して欲しいですね。

今後の活躍にも期待しましょう。

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