最近「ジカ熱」という言葉をよく聞くようになりました。
今まであまり聞いたことのない病気ですが、これは蚊によって媒介される感染症の1つです。
健康な大人なら症状はそれほどひどいものではなく、死に至ることもほとんどありません。
しかし、蚊によって媒介というのが、やっかいな所ですね。
蚊は世界中至る所に生息していますし、ある統計によりますと、最も人間を殺す生物は、「蚊」だそうです。
そしてジカ熱は確かに症状自体は軽いものかもしれませんが、実は妊娠中の人が感染した場合、産まれてくる子供に小頭症が発生する恐れがあるという恐ろしい事実がわかっています。
なので予防や対策が重要になります。
今回はジカ熱の症状や感染経路、人から人への感染する可能性はあるのか、そして妊娠中の方が感染しないための注意点など予防や対策についてなど見ていきたいと思います。
ジカ熱とは?その感染経路など
ジカ熱はジカウイルスというウイルスによって発症します。
このジカ熱は、健康な大人なら症状はそれほどひどいものではなく、死に至ることもほとんどありません。
潜伏期間は、2日から一週間程度で、症状としては、微熱や発疹、関節痛、頭痛、倦怠感などがありますが、いずれもデング熱よりはずっと軽く、ほとんど自覚症状がない場合もあるそうです。
この症状が軽く、自覚症状さえない場合があるというのが、むしろ怖い所です。
気が付かない内に、ジカ熱に感染していたということもありうるということでやはり感染経路である蚊の対策が必要になります。
根本的な治療法はありませんが、対症法としては、十分な休養と十分な水分を取り、市販の鎮痛解熱薬を使うなどの方法があります。
無論、症状が悪化したときには、なるべく早く医療機関に行くべきでしょう。
このジカウイルスは、一時期騒がれたデング熱などと同様に、蚊によって媒介されるところが、一番怖い所です。
なにしろ蚊は世界中至る所にいます。
この蚊は「ネッタイシマカ」や「ヒトスジシマカ」などなのですが、この「ヒトスジシマカ」と言う蚊は、一般的には「ヤブ蚊」と呼ばれていて、日本でも公園などの樹木の多い所には、普通に生息しているそうです。
つまり、日本にいてもジカ熱に感染する可能性は、無いわけではないのでその感染経路を予防するのが一番の対策です。
ヤブ蚊の多く出る時期は5月から10月頃にかけてですが、その時期には公園や林などには近づかない方が、無難かも知れませんね。
ヤブ蚊対策としては、蚊よけのスプレーやクリームを使ったり、長袖のシャツや長ズボンを着て、肌の露出を避けるのも、有効のようです。
今年はブラジルのリオデジャネイロで、オリンピックが開催されます。
ブラジルでは大統領令によって、軍隊まで出動して蚊の駆除に乗り出しているそうですが、それでも蚊を全て完全に駆除することは無理でしょう。
なので、できれば南米など蚊の多い地域への旅行は、なるべく避けた方がよさそうです。
オリンピック観戦にリオに行かれる方は、くれぐれも予防や対策などご用心を!
ジカ熱の治療法ですが、ワクチンなどの、ジカ熱のウイルスを直接殺す薬は今の所ないとのことです。
つまり治療法がないのです。
これも怖い話ですね。
感染経路については、ほぼ100%蚊にさされることで、これまでは人から人への伝染はないとされていました。
ところが、ごく最近になって、人から人への感染もあるという報告がありました。
蚊での感染経路しかないはずなのに、なぜ人から人へと感染するのでしょうか?
ジカ熱の人から人への感染経路について
これまでは、ジカ熱は人から人への感染はないとされていました。
ところが最近、人から人への感染もありうるという例が、幾つか報告されました。
先日米テキサス州ダラスで、ジカ熱が人から人に感染した例が報告され、その他にも同様の幾つかの報告がありました。
この感染経路ですが、感染者からの輸血や性交渉によるものだそうです。
アメリカ国内だけでも性交渉による感染例が14件もあるとのことです。
精液からジカウイルスが検出されたケースも1件ありますし、十分注意が必要ですね。
そしてついに日本でもジカ熱の感染者が出てしまいました。
ポリネシアのボラボラ島やタイなどに滞在したことのある旅行者ですが、最近ではブラジル旅行から帰国した高校生も、ジカ熱にかかっていたことが判明しました。
ジカ熱はもはや対岸の火事などと、言っていられなくなってきたのです。
気付いたら感染していたということがないように予防や対策が必要です。
妊娠中の予防や対策が重要!
そしてジカ熱の最も怖い点は、妊娠中の方が感染すると、胎児に小頭症が発生する恐れがあるということです。
小頭症とは、先天的に頭部が小さく、脳の発達に遅れがある症状で、頭蓋骨の縫合が早すぎる場合と、脳の発育が悪いために脳体積そのものが小さい場合の、二種類があるとのことです。
前者の場合は外科手術による治療も可能ですが、後者の場合は有効な治療法はないとのことです。
ブラジルでは最近小頭症の新生児が増えているのですが、これはジカウイルスと関連があると言われています。
いずれにしても、非常に恐ろしいことですが、ジカ熱対策としては、まず第一にはジカ熱に感染しないように予防することでしょう。
ジカ熱の流行地への旅行を避けるのは当然ですが、その流行地から帰国した人との接触を避けることも必要でしょう。
ジカウイルスの感染力はあまり強くないそうで、手と手が触った位で感染することはありえないと言われています。
もっとも多い例は、感染者との性交渉での人から人への感染経路ですので、妊娠中の方は不注意な性交渉は避けるべきでしょう。
もう一つ、輸血による感染ですが、これは当人の注意で防げるようなものではありませんので、医療機関の医療体制の充実を期待するしかなさそうですね。
まとめ
ジカ熱の怖い所は、妊娠中の方の胎児が小頭症になる可能性があることと、感染しても自覚症状がなく、気付かない場合もあることなどでしょう。
しかも、これまでは人から人への感染経路はないとされていましたが、最近は、輸血や性交渉で人から人への感染も確認されています。
南米やアフリカなどの流行地へ行かれる旅行者の方や、また妊娠中の方は、十分注意してくださいね。
以上で「ジカ熱の人から人への感染経路は?妊娠中は予防や対策が重要!」を終わります。