日本の7人制ラグビーは、男女仲良くアジア予選を突破し、リオオリンピック本大会への出場が決まりました。
その7人制ラグビーですが、
とあるサイトでこんな質問を見ました。
「7人制のラグビーに何故五郎丸選手は出ないのですか?オリンピックで金メダル可能ですよね?」
と、ワールドカップでの五郎丸選手の活躍とあの呪文(又はあんま)の手つきを見れば、もっともな質問ですが、本当に五郎丸選手は7人制ラグビーのオリンピックには出場しないのでしょうか?
今回は五郎丸選手が本当に7人制ラグビー日本代表チームに参加し、オリンピックに出場するのかという疑問を見ていきましょう。
五郎丸は7人制ラグビーに出ないの?
ズバリ言ってしまえば、五郎丸選手が7人制ラグビー日本代表チームに参加し、リオオリンピックに出場する可能性は、限りなく「ゼロ」に近いです。
まったく身も蓋もない書き方で、我ながら申しわけないと思います。
あまりにも申し訳ないので、なぜ出場しないのか(或いは出場できないのか)、そのあたりを書いてみました。
五郎丸選手が7人制ラグビー(リオオリンピックと限らず)に出場しないのか、その理由は至極簡単なものです。
ラグビーの7人制と15人制ラグビーでは、ルールがまるで違うからです。
全く別の競技と言うことすらできそうな位の大きな違いがあります。
そのために、7人制ラグビーと15人制ラグビーでは要求されるスキルが大幅に異なります。
一例を挙げれば、五郎丸選手が得意とするキックですが、15人制では地面にボールをセットして蹴るプレースキックです。
しかし7人制では、手に持ったボールを地面に落としてから蹴るドロップキックとなっています。
これでは五郎丸選手お得意の、あの呪文の手つきもすることができません。
もう一つの例として、ピッチ(コート)の広さは同じなのに、人数は半分以下の7人です。
従って選手は休む暇もなく、全力で走り回らなければなりません。
もっとも試合時間は前後半がそれぞれ7分と非常に短いのですが、それにしても選手は大変ですよね。
これらの違いは選手にとって非常に大きいものがあるでしょう。
つまり必要なスキルがまるで違うということで、15人制ラグビーの名選手=7人制ラグビーの名選手とはならないわけです。
そのルールの違いについては次項で説明します。
7人制と15人制ラグビーの違いとは?
7人制ラグビーと15人制ラグビーの主なルールです。
1 人数は7人制では7人、15人制では15人。
2 試合の時間は7人制は前後半それぞれ7分。15人制では40分ずつ。
3 スクラムの人数は7人制で3人、15人制では8人。
4 7人制ではゴールキック(コンバージョンキック・トライの後でのキック)はドロップキック。又チャージ(キッカーに向かって走るなど)は禁止。15人制ではゴールキックは地面にボールをおいて蹴るプレースキックでチャージはOK。
5 キックオフ(得点後の再スタート)は、7人制では得点側からスタート。15人制では失点側からスタート。
6 7人制では退場処分の時間は2分。15人制では10分。
7 7人制でのフォーメイションはフォワード3人、バックス4人。15人制ではフォワード8人、バックス7人。
などです。
前項で「全く別の競技」という大げさな表現をしましたが、別の競技とまではいかなくても、かなりの違いはありますよね。
最も大きな違いは、フィールドの大きさ同じなのに、人数が半分以下という点でしょう。
従って選手に要求される最大のスキルは、「走力」となります。
スピードとスタミナが要求されるわけです。
休む暇もなく駆け巡るそのスピード感が、7人制ラグビーの最大の魅力と言われています。
ところで五郎丸選手ですが、前述のようにこの7人制ラグビーには出場しません。
しかし、五郎丸選手に勝るとも劣らぬ魅力を持った選手が、7人制ラグビーの日本代表チームにもいるのです。
7人制ラグビーの日本代表チームの主将は「桑水流」選手ですが、この読み方が一発で分かる方は果たしているのでしょうか。
これは「くわずる」と読みます。
非常に珍しい名前ですね。
15人制ラグビーに五郎丸あり、7人制ラグビーには桑水流ありとも言われる名キャプテンです。
7人制ラグビーにはもう一人注目の選手がおります。
同志社大3年で日本代表チーム最年少の、20歳の松井千士選手です。
彼は50メートルを5秒7という俊足に加えて、希に見るイケメンさんです。
しかもイケメンだけが売りの選手ではなく、予選では9トライをあげて「トライ王」になった選手です。
天は二物を与えたというわけですね。
まとめ
というわけで、残念ながら五郎丸選手は7人制ラグビーの日本代表チームには参加しておりません。
ルールの違いとそれによる要求されるスキルの違いが、その理由なのです。
しかし、7人制ラグビーには15人制ラグビーとはまた異なる、楽しさや面白さがあるということは理解していただけたでしょうか。
ともあれリオオリンピックでの7人制ラグビー日本代表の活躍に期待して、この記事を終わります。
以上、五郎丸選手がリオオリンピックの7人制ラグビーに出場しないのかについてでした。